新規営業案件の15%をたった9名で創出
SPEEDAとFORCASで組み立てた新たな営業プロセス
株式会社NTTネクシア
取締役営業企画部長 宮澤淳一様
営業企画部営業戦略部門営業戦略担当 担当課長 川原宏之様
営業企画部営業戦略部門営業総括担当 芳泉哲史様
- 営業企画・営業推進
- FORCAS
コールセンター業務に関する運営や改善支援・コンサルティング、BPOサービスなどを手掛けるNTTネクシア。営業戦略立案から、リード獲得、インサイドセールス運用を担う営業企画部では、ユーザベースの2つのソリューションを活用しています。上流の市場動向把握・戦略立案にはSPEEDAを活用し、具体的な顧客分析・ターゲットリスト作成にはFORCASを、そして具体的な営業シナリオ・仮説づくりにはSPEEDAのエキスパート機能を活用しています。これにより、戦略立案から実行までを少数精鋭でスピーディーかつ高い精度で実施する体制を構築しています。今回は、営業企画部の宮澤様、川原様、芳泉様に、弊社サービスの使い分けや相乗効果についてお伺いしました。
- 導入の目的Purpose
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- 既存企業からの売上だけに頼らず、新規契約を獲得して売上を伸ばすため
- インサイドセールス組織をごく短期間で立ち上げるため
- アプローチ対象企業を1社1社可視化するため
- 抱えていた課題Subject
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- 限られた企業の大型案件に収益を依存している
- 取引先の業種・業態が分散しているため、市場調査への投資リスクが高い
- 市場や企業情報のリサーチに膨大な時間と工数がかかっている
- 導入効果Result
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- 営業企画と営業現場の目線が揃い、連携がスムーズになった
- 戦略の精度が上がり、新規顧客獲得への意識が全社的に高まった
- 調査・分析・戦略策定の時間を大幅に短縮できた
売上を伸ばすため、新規企業開拓が至上命題に
――営業企画部のミッションや役割について教えてください。
宮澤様:営業企画部は、営業部門と連携して戦略を立案し、マーケティングサイクルを構築するという2つの役割を担っています。主なミッションは、売上を伸ばすことです。部門としては、営業戦略部門と、販売促進部門の2つから構成されています。
川原様:営業戦略部門の中で、さらに戦略担当と総括担当で領域が分かれており、私はこの2つの部署で課長を兼務しています。戦略担当は、市場調査、ニーズ調査などを通して全体戦略立案からデジタルマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスなどの戦略・施策を策定しています。総括担当は、基礎数値の取りまとめやシステム基盤の整理、営業人材育成を中心に担っています。
芳泉様:私は総括担当として、川原のもとで営業・経営数値を管理しています。主にSalesforceの構築や運用・管理を担当しております。また、SPEEDAやFORCASの活用・分析を行っています。
――営業企画部を立ち上げられた経緯にはどのような背景(外部環境変化など)がありましたか?
宮澤様:弊社はこれまで、限られた企業の大型案件が、収益の大半を占めている状況でした。これからの自社の成長を考えると、既存企業からの売上だけに頼らず、新規契約を獲得し、売上を伸ばす必要に迫られました。新規企業開拓という至上命題に直面し、営業プロセスの変革を決意しました。具体的には、デジタルマーケティングやインサイドセールスでリードを獲得して商談を創出、フィールドセールスに渡すという仕組みを作ることとなり、その実行組織として2021年12月に営業企画部が立ち上がりました。
川原様:なかでもインサイドセールスは、垂直立ち上げが厳命でした。オペレーターの登用や育成、仕組み作りに注力し、短期間で効率的な成果を出せる組織作りに取り組みました。
戦略から実行まで、SPEEDAとFORCASで「バトンをつなぐ」
――弊社サービス導入のきっかけや経緯を教えてください。
川原様:既存企業のサンプル数が数万社あれば、共通項を見いだして新規企業開拓の戦略立案するのは難しくありません。ただ、弊社はBPO事業者のため、取引先は数百社程度です。それを業種業態で分類すると1カテゴリーがさらに少なくなります。少ないサンプル数から立てる仮説で、大きな金額をかけてシンクタンクに市場調査を依頼するのはギャンブルに近いと考えました。そこで当初は、業界の動向や会社情報を1社1社調べていたのです。
芳泉様:1社1社をネットで調査するのに膨大な時間と工数がかかってしまっていたので、自社調査を効率化できるツールがないかと調べていました。2021年秋、営業企画部ができる少し前ですが、SPEEDAを見つけて導入し、その2ヶ月後にはFORCASも導入。SPEEDAのエキスパート機能(FLASH Opinion、エキスパートインタビュー)は2022年の秋に使い始めました。
――SPEEDAとFORCAS 、それぞれの活用目的を教えてください。
川原様:「SPEEDAは最上流の戦略構築」に活用します。業界レポートや企業情報を確認し、既存企業の解像度を上げ、弊社側の強み・弱みを足し合わせて見ていくと、戦略の外観が見えてきます。
次に、「その市場から具体的なアプローチ対象企業を1社1社可視化するためにFORCAS」を使います。いくつかの条件を設定して抽出した対象リストに、インサイドセールスがアプローチをかけ、その結果をまたFORCASに取り込んで、リストの抽出条件をさらにブラシュアップしてアプローチをする、このPDCAサイクルを回しています。
最後に、アプローチ先の市場開拓成功に必要な武器は何か、の仮説を立てた上で、「SPEEDAを活用し、その道の専門家に壁打ち役としてアドバイスや意見を聞く」という流れです。
芳泉様:SPEEDAの活用で、市場調査に掛かる時間を削減するとともに、調査内容の精度を上げることができました。FORCASを活用することでリスト作成に掛かる工数が削減できました。さらにFORCASはSalesforceとも連携できるので、リストアップされた対象企業をSalesforce上でも把握することができるので、アプローチ漏れを防ぐこともできます。FLASH Opinion(24時間以内に5名以上の専門家から回答が得られる機能)は、営業活動をするうえで困っていることに対する現状の最適解や解決の方向性を、素早く専門家に相談できるので便利であると同時に、得られる知見の精度が高く、営業活動におけるアウトプットの質が高まっているので非常に満足しています。
営業活動に「血が通い」、現場の意識が新規開拓にシフト
――導入してから、社内に変化はありましたか。
芳泉様:営業現場と、私たち営業企画の目線が揃ったと感じています。例えば、SPEEDAでは、その業界に詳しい専門家に直接インタビューすることができるので、営業企画が考えた施策を営業が実行する上でどのように進めたらいいのか、どのようなシナリオが刺さるかといったアドバイスを得られました。現場で役立つ武器を提供でき、「血の通った施策」になった実感があります。営業が真に欲する情報を提供できているので、頼られることもあり、社内連携がスムーズになりました。
川原様:戦略の精度が上がったことで、全社的に新規獲得に意識が向いてきているのは間違いありません。また、一般的な市場調査では3ヶ月ほどかかってしまうので、戦略に即時性がありません。そこをSPEEDAとFORCASを活用することで、調査・分析・戦略策定までの時間を短縮することができ、スピーディーな営業活動の情報武装に役立っています。
事業計画のように腰を据えた方針を策定するのであれば市場調査を活用、即時性や市場調査の壁打ちとしての検討をするのであれば、SPEEDAとFORCASを活用と区分けをしております。
私たち営業企画側にとっても、SPEEDAのお陰で戦略意思決定における自社なりの見解や仮説を持つことができるようになりました。シンクタンクと対等に議論できるようになり、意見や仮説を交わすことで、より施策の精度を突き詰めていくことも可能になりました。
――SPEEDAやFORCASにおける定量的な導入効果はありましたか。
川原様:SPEEDAは市場調査の時間短縮が可能となり、アウトプットの量が増やすことができたため、1名担当者が増えたのと同じ効果が生まれています。FORCASにおいては、精度の高いターゲットリストがインサイドセールスの活動を飛躍的に向上させました。2022年度の実績ですが、200名の営業組織に対して、たった9名のインサイドセールスが、全社の新規営業案件の15%を創出することに成功しました。
「NTTネクシアあり」という存在感を示す領域を作る
――営業企画部としての今後のビジョン、目指していきたい姿についてお聞かせいただけますか。
川原様:会社として、「コールセンター企業」から最新のデジタル技術ときめ細やかなヒューマンタッチによって、クライアント・地域社会とその利用者とのコミュニケーションの在り方に関する全体設計を行い、利用者の満足度向上とクライアント・地域社会の課題の解決に貢献する「コミュニティデザイン企業」への成長をビジョンとして掲げております。
クライアント最前線の営業に寄与する組織としてこのビジョンの達成に向けて前進したいです。
そして、営業戦略担当者としては、「強みの見極め」が重要なBPO市場において自社ケイパビリティを高め、「コミュニティデザイン=NTTネクシアあり」といったプレゼンスを発揮するまで、成長を続けていきたいです。
※2023年6月取材。掲載の情報は、取材時点のものです。
- 社名
- 株式会社NTTネクシア
- 事業内容
- 企業のコールセンター業務に関する運営や改善支援・コンサルティングおよび提案を行う。また、BPOサービスや多言語通訳サービスおよび翻訳サービスを手掛ける。そのほか、企業内デジタルコミュニケーションサービスの開発や提案およびマーケティング戦略を目的にした調査に対応する。
- 従業員数
- 5000人以上